デザインには、すべて意味がある。

デザインには、すべて意味がある。

デザインの仕事をしていると、制作したデザインに対して「なぜ?」と聞くことがよくあります。

なぜ、この写真なのか。

なぜ、この位置なのか。

なぜ、この大きさなのか。

なぜ、この色なのか。

なぜ、この書体なのか。

なぜ、この余白なのか。

意地悪で聞いているわけではありません。

デザインには、基本的にすべて意味があるからです。

もちろん、すべてを理屈だけで決めるわけではありません。

長くデザインをしていると、「こっちの方がいい」と感覚的に判断することもあります。でも、その感覚も、これまで見てきたものや経験してきたことの積み重ねから生まれています。

大切なのは、「なんとなく」で終わらせないことです。

「形になった」と「決まった」は違う

本人は「もう決まっています」と思っていても、第三者から見ると、まだ何も決まっていないことがあります。

写真は入っている。
文字も入っている。
色もついている。
レイアウトもできている。

一見すると完成しているように見えます。

でも、

「何を一番伝えたいの?」

「なぜ、この写真なの?」

「なぜ、ここに置いたの?」

と聞いても、答えが出てこない。

それは、デザインが決まったのではなく、単に要素が置かれて「形になった」だけなのかもしれません。

置いたことと、決めたことは違います。

自分が選んだものや決めたことに対して、一度「なぜ?」と問いかけてみる。

その習慣がつくと、少しずつ自分のデザインを客観的に見られるようになります。

わからなければ、聞けばいい

「なぜ?」を考えていくと、自分がわかっていないことにも気づきます。

ここまではわかる。
でも、ここから先がわからない。

それに気づけたら、聞けばいい。

わからないことを聞くのは、恥ずかしいことではありません。

むしろ、わからないまま進めてしまう方が、後から大きく戻ることになります。

もちろん、何でもすぐに聞けばいいわけではありません。

一度自分で考えて、

「ここまでは理解できました。でも、ここがわかりません」

と整理して聞く。

これだけで質問の質は大きく変わります。

完成する前に、見せる

デザインは、一人で最後まで抱える必要もありません。

ラフの段階で見せる。
方向性を確認する。
違っていたら修正する。

その繰り返しで、デザインの精度は上がっていきます。

完成してから初めて見せて、方向そのものが違っていたら、それまでの時間ももったいない。

途中で見せるのは、自信がないからではありません。

より良いものをつくるためのプロセスです。

経験したことを、自分だけのものにしない

現場や出張も同じです。

行って、作業をして、帰ってくるだけではもったいない。

何が起きていたのか。
何が想定と違ったのか。
お客様は何を気にしていたのか。
自分は何に気づいたのか。

そこでしか得られない情報があります。

それを周囲に伝えることで、一人の経験がチームの経験になります。

そして、人に伝えようとすると、自分自身も「何を見てきたのか」を整理することになります。

これもデザインと同じです。

「なぜ?」を考える習慣

デザインだけでなく、仕事の中にもたくさんの「なぜ?」があります。

なぜ、今確認した方がいいのか。

なぜ、途中で共有するのか。

なぜ、わからないことを聞くのか。

なぜ、現場で得たことを周囲に伝えるのか。

理由がわかれば、「やらされていること」ではなくなります。

自分で考えて、判断して、動けるようになります。

そして、そういう人には少しずつ仕事を任せられるようになります。

新しい案件に参加する。
お客様と直接話す。
現場へ行く。
これまでとは違う仕事を任される。

チャンスは、突然どこかからやってくるものではありません。

日々の小さな積み重ねから、「この人なら任せられる」という信頼が生まれ、その先に新しい経験が待っています。

デザインが上手くなりたいなら、デザインだけを見ていても足りません。

考えること。
整理すること。
聞くこと。
共有すること。
人の意見を受け取ること。

その一つひとつが、デザインにも、仕事にもつながっています。

まずは、自分がつくったものに「なぜ?」と問いかけてみる。

なぜ、こうしたんだろう。

その小さな問いを持つことから、デザインも仕事も少しずつ変わっていくのだと思います。

R&D本部 SH

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