看板の起源は、実は人類の「伝えたい」という欲求と密接に結びついています。以下に、世界と日本それぞれの看板の始まりを簡潔にまとめてみました。
🌍世界の看板の起源
🏺古代エジプト・メソポタミア
- 商人や職人が象形文字や絵を使って、自分の仕事を知らせる「看板的なもの」を使用。
- 市場ではパン屋や酒造業者が、商品を象徴する絵を掲げていた。
🏛古代ローマ・ギリシャ
- 商店や酒場の入り口にモザイク画や石碑を設置。
- パン屋ならパンの絵、床屋ならハサミなど、文字が読めない人にもわかる工夫がされていた。
🏮中世ヨーロッパ
- ギルド(職人組合)が職種ごとのシンボルを看板に。
- 鍛冶屋は槌、仕立屋はハサミ、酒場は樽など、視覚的なアイコンが主流に。
🗾日本の看板の起源
📜奈良時代(710年頃)
- 平城京では「標(しるべ)」を立てて商品名を示す制度があった。
- 大宝律令の注釈書「令義解」に「市では店舗ごとに標を立てて行名を示すべし」と記されている。
🏯平安〜室町時代
- 暖簾(のれん)が商売の目印に。
- 鎌倉末期には「簡板(かんばん)」という木札が登場し、室町時代には「看板」という言葉が定着。
🎭江戸時代
- 商業の発展とともに、木製の大看板や浮世絵を使った装飾看板が普及。
- 看板職人「看板師」が登場し、店の個性を表現する文化が花開く。
🧠看板は“読む”ものから“感じる”ものへ
看板は、文字を読めない人にも伝わるように、絵や形で情報を伝える工夫がされてきました。これは現代のピクトグラムやロゴにも通じる考え方です。つまり、看板は「視覚によるコミュニケーション」の原点とも言える存在なのですね。
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