飲料メーカーの広告ポスターについて

肌感覚で街を歩いて目に付くポスターの3割くらいが飲料メーカーのものではないでしょうか。
特にビールをはじめとするアルコール類の販売プロモーションは昔から競争が激しい。夏場は野球・サッカーなどのスタジア、ライブ・イベント会場近くでは飲料ポスターで埋め尽くされている。
今回はそんな飲料メーカーが出すポスターを中心にご紹介いたします。

季節連動型のポスター

左は5月に撮影し初夏を意識したもの。右は10月に撮影し秋の雰囲気。
商品は同じでタレントさんのポーズもほぼ同じ。視線は人の顔に集めることができるので顔の近くに商品パッケージを置くレイアウトもよく見かけます。


左の衣装の色は夏は白で爽やかで軽やかにし背景は京都の竹林をイメージ。
右は衣装を赤にし背景の紅葉のイメージにあわせてやや強めに。
同じレイアウト、キャッチコピーで年中使用し、フォーマット化することでブランドイメージを訴求すること繋がっている。

場所記載で自分事にさせるポスター

左は「新橋」。右は「横浜」で撮影。
こちらも先ほどの季節感のポスターと同様、1キャッチ1ビジュアルの王道のポスター。
「新橋は幸せの角ハイボール」と「横浜のみなさん、おつかれ生です」。
タレントが自分に言ってくれている錯覚になるのか、自分事としてなんとなく刺さるイメージもわかる。見た人はちょっと嬉しくなる。

イベント連動のポスター

少し古いが、写真は2023年のラグビーワールドカップ、フランス大会時のポスター。
わかりやすくシズル感を出して背景はラグビーボールで、1キャッチ「ともに、歓喜の瞬間を。」もわかりやすい。

個人的な驚きポイントは、ラグビー観戦するファンのビール消費量は平均でサッカーファンの6倍とのこと。アサヒスーパードライはラグビーワールドカップ公式ビールとして大会期間中の試合会場で独占販売。キリンはサッカーのスポンサーしているが、アサヒはラグビーに目を付けていた点が素晴らしいと思った。ポスターから各企業のマーケティング戦略を紐解くとさらに面白い。

既存デザインのオマージュ

かき氷を取り扱う店でよく見る「氷」の旗デザインのオマージュ。シンプルながらコピー、タレント、しずる、商品カットなどわかりやすい。なんと言っても「夏」の漢字の中の「生」を配置して工夫も見られる。

2コマ漫画風レイアウト

さかなクンならず、翠と餃子で「すいぎょい」。ポスターを上下にわけ、上は餃子のシズルとタレント。下はジョッキと笑顔とパッケージで全部載せ。2コマ漫画的に縦型ポスターは上下に分割してレイアウトするのもよく見かける。色もシンプルで爽やか。

飲食店へ足を運ばせるプロモーション

最後に、飲料メーカーが商品を売るためにスーパーやコンビニでだけ売れれば良いのではなく、各メーカーが特に業務用商品によって売上のかなりの割合を占めています。
なので飲食店の魅力を伝える、飲み会啓蒙ポスターを見かけたので紹介します。


これは言わば、自分のメーカーの飲料だけば売れればよいのではなく、飲食店に足を運ぶ人たちを全体的に底上げするためのポスター。酒離れと言われている時代に、まずは飲む土壌を再認識させて飲み会人口を増やそうと努力している姿勢が素晴らしいと思った。漫画と丁寧に考えられた文章も素晴らしい。

まとめ

今回は飲料メーカーのポスターを中心に紹介しました。蓋を開ければサントリー、アサヒだけの紹介になってしまいましたが、各社しのぎを削って商品開発とプロモーションに励んでいることが改めてわかりました。また今後もサイン・看板・ポスターデザインを紹介していきます。

R&D本部 GN

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