はじめに
生成系AI(Generative AI)は、日々目まぐるしいスピードで進化を続けています。特に、「動画生成AI」の登場は、映像制作の領域に新たな可能性をもたらしました。
まずはこちらの動画をご覧ください👇
この動画はOpenAI社が開発した「Sora」という動画生成AIを使用して制作しました。
今回は実際にAIを使って映像制作を試みた工程や、その感想をシェアしたいと思います。
テキストから画像を制作(Text-to-image)
まずは動画に使用するイメージ画像を作るために、Adobe社が提供している「Adobe Firefly」を使用しました。Adobe Fireflyは、使用許諾を受けたコンテンツの学習データをベースにしており、生成された画像を商用利用できる点が大きな特徴です。
Adobe Firefly
https://www.adobe.com/jp/products/firefly.html
今回使用したプロンプトは下記の通りです。
プロンプト:「寝室で猫がギターを弾いている。まるで人間が弾いているようだ。」
このような簡単なテキスト入力で、高品質な画像が生成できます。
画像から動画を制作(Image-to-video)
次に、生成した画像を動画化するため、動画生成AIの「Sora」を使用しました。
Sora
Soraでは、画像をアップロードし、追加で以下のようなプロンプトを入力しました。
プロンプト:「Camera Fix. Cat playing guitar」
「カメラを固定する」「猫がギターを弾いている様子」という描写を指示。
実際の出力結果👇
今回は2パターン生成しました。
「猫がギターを弾いている様子」は正確に描写されていますが、1個目の動画はシーンが切り替わり、2個目の動画はカメラが固定にならずズームアウトしてしまいました。
実際に触ってみた感想
まず、短時間で高品質なクオリティの動画が生成できることにとても驚きました。
一方で、イメージ通りのクリエイティブを作るためには、AIに対する正確なプロンプトやカメラワークの指示が重要であると痛感しました。プロのように“驚きと感動”を与える映像を制作するには、やはり映像表現そのものに関する知識や経験が求められます。
また、生成AIに関しては著作権リスクについても同時に考慮しなくてはいけない問題です。
Stable diffusionやMidjourneyといった代表的な画像生成AIでは、i2i(image to image)での生成が可能です。昨今では自分の作品を投稿していた絵師が「他人の作品をi2i技術を使ってトレパクしていた」といった出来事がありネット上で炎上しました。
こうしたリスクを理解し、第三者の権利を侵害しないよう注意することも、クリエイターにとって重要な責任と言えます。
おわりに
映像制作とAI技術は、これからますます強く結びついていくと考えられます。人間の創造力とAIの補完的な発想力が融合することで、新しい表現の可能性が次々と広がっていくでしょう。
もし興味があれば、ぜひ一度動画生成AIに触れてみてください。文字や画像をアップロードするだけで、自分が思い描いた世界を動く映像としてアウトプットできる体験は、これまでにない楽しさと驚きをもたらしてくれるはずです。
設計・デザイン部 HS
■前回の記事はこちら👇
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