液晶ディスプレイ?液晶モニター?呼び方の違いは何?

パソコン用のモニターやデジタルサイネージに使われる液晶画面は、一般的に「液晶ディスプレイ」や「液晶モニター」のように呼ばれます。どちらの言葉もよく使われていて、ネットショップや製品カタログ、一般会話でも混在しています。

ここで疑問に思うのが、この2つの呼び方には何か意味の違いがあるのかです。そして、どちらが「正しい」呼び方なのでしょうか?本記事では、液晶ディスプレイと液晶モニターという用語の使われ方や意味を整理し、最終的には「液晶ディスプレイ」がより正確な呼び方であると結論付けます。では、それぞれの説明からはじめましょう!

液晶ディスプレイとは

「液晶ディスプレイ(LCD)」とは、”Liquid Crystal Display”の略語であり、液晶技術を用いた表示装置を指します。LCDという略称は、英語圏だけでなく日本国内の製品仕様や工業規格でも広く使われています。たとえば、テレビ、スマートフォン、カーナビ、ノートパソコンなど、画面を持つ多くの製品にLCDが使われており、それらはすべて液晶ディスプレイの一種です。

つまり「液晶ディスプレイ」は、液晶技術を使った画面を意味する技術的・構造的な名称です。

液晶ディスプレイは大きく2種類あります。

モニタータイプ

これは、パソコンモニターのようにケーシングされた液晶ディスプレイで、スタンドや入力端子、電源回路などが内蔵された完成品です。HDMIやDisplayPort、VGAなどのインターフェースを備え、ユーザーがすぐに映像機器と接続して利用できます。

一般的なPCモニターやデジタルサイネージ用の液晶画面もこのモニタータイプに分類されます。見た目が完成された状態のため、一般消費者向け製品として広く普及しています。

モジュールタイプ

一方で、モジュールタイプは、FPC(フレキシブルプリントケーブル)などでCPUボードと接続して使用する液晶ディスプレイです。制御用の回路基板や電源回路を別途接続する必要があり、組込み機器や産業用途、開発用途などで利用されることが多いです。

表示面だけのパネル構造であり、外装は最小限、用途に応じて筐体に組み込まれる前提の製品です。たとえば、医療機器やATM、工場用端末などに使われています。

モニタータイプと違い必要最低限の部品構成である為、価格が安く大量に製造され、各メーカーにて製品に組み込まれて使用されます。身近なノートパソコンやスマートフォンの画面もモジュールタイプで各メーカーが仕入れ自社製品に組み込んで最終製品にします。


液晶モニターとは

一方で、「液晶モニター」はより日常的・用途的な呼び方です。たとえば、パソコンにつなげて映像を映す装置を「モニター」と呼ぶ文化が長年根付いており、CRT(ブラウン管)時代から「モニター」という言葉が使われてきました。

液晶モニターという表現は、「液晶ディスプレイを使ったモニター装置」という意味で、用途や目的に焦点を当てた呼称といえます。モニターとは本来「観察装置」という意味があり、監視用モニター、放送局の業務用モニターなども含まれます。

どちらが正しい呼び方か?

結論から言うと、「液晶ディスプレイ」の方が技術的には正確な表現です。理由は以下の通りです。

  1. LCD(Liquid Crystal Display)という国際的な略称が存在する
  2. 製品仕様書や工業規格などでは「ディスプレイ」という表現が使われることが多い
  3. “ディスプレイ”は表示装置全般を指し、モニターよりも広い意味を持つ

しかし、「液晶モニター」という言葉も完全に間違いというわけではなく、日常的には広く通用しており、実質的には同義語として扱われているのが現状です。実際、家電量販店の売り場やオンラインショップのカテゴリ名では「液晶モニター」「PCモニター」などの表現が一般的です。

実際の使われ方と業界の傾向

現在では、以下のような使い分けが見られます。

  • 技術的・製品開発の現場 → 「液晶ディスプレイ」
  • 販売・マーケティングの現場 → 「液晶モニター」
  • ユーザー・一般消費者の会話 → 両者が混在

また、製品によっては「モニター」と「ディスプレイ」を区別している場合もあります。たとえば、映像入力端子を持ち、独立して使えるものを「モニター」、ノートパソコンやスマートフォンなど筐体に組み込まれているものを「ディスプレイ」と呼ぶ傾向もあります。

結論:どちらを使っても良いが「液晶ディスプレイ」の方が正確

結論として、「液晶ディスプレイ」がより技術的・形式的に正しい呼称であるといえます。その理由は、「LCD」という国際的に通用する表現が存在し、専門的な場面でも一貫して使われているためです。LCDのDは、ディスプレイのDだからです。

ただし、実際には「液晶モニター」も一般的に広く通用する言葉であり、どちらを使っても問題になることはほとんどありません。

そのため、文脈に応じて使い分けることが推奨されます。たとえば、プレゼン資料や技術書では「液晶ディスプレイ」、消費者向けの販促資料やブログ記事では「液晶モニター」という使い分けが自然です。

また、コミュニケーションにおいて重要なのは、正確な呼び方ではありません。お互いが対象を同じもの(こと)として認識しているかどうかです。たとえ間違った呼び方であったとしても互いが同じ対象を認識していれば、コミュニケーションは取れています。

例えば、お客様の中には、タッチパネル付き液晶ディスプレイをタッチパネルと呼ばれる方がいます。タッチパネルは正確には、液晶ディスプレイ部分を含みませんが、お客様との間でタッチパネルという呼び方が、液晶ディスプレイとタッチパネルを含めた全体であると互いが同じ認識を持っていれば呼称が間違っていても何の問題もないのです。

レベリック営業部 K.H

新着記事

TOP PAGE