デジタルサイネージ用[液晶ディスプレイ]の選び方

デジタルサイネージには、液晶ディスプレイやLEDビジョンなどが使われますが
今回は液晶ディスプレイについて整理してみます。

屋内や屋外など設置場所や用途に応じて最適な液晶ディスプレイを選ぶ必要があります。
設置場所に適さない液晶ディスプレイを選定してしまうと視認性が悪く見えにくい
雨風によって故障しやすくなるなど問題が発生するので注意が必要です。

■ ディスプレイサイズ
ディスプレイサイズは、表示するコンテンツの内容や視聴距離によって選定します。
屋外や広い空間では、55インチ以上の大型ディスプレイが適しています。

店舗内や狭いスペースでは、32インチ~43インチ程度が選ばれる傾向にあります。
また、横に2台、3台と並べて一体化させたコンテンツを表示することも出来ます。
視認性を高めるため、設置場所の環境に応じてサイズを選びましょう。

■ 輝度
輝度はディスプレイの明るさを示し、「cd/m2(カンデラ毎平方メートル)」で表します。

屋内用は300~500cd/m2程度のパソコン用ディスプレイで使われるレベル+αを使うことが出来ます。

屋外用や窓際では、太陽光に負けない高輝度ディスプレイが必要です。
1,000cd/m2程度:見えますが、広告として使うには暗い印象を受けます。料金徴収機などのように見えれば良い場合であれば良いでしょう。
2,000cd/m2以上:太陽光に負けない輝度である為、広告などで使う場合には、このような高輝度が適してします。
※輝度が高いほど価格、消費電力が高くなりますので、使用環境を考慮せずに高輝度な製品を選択すべきではありません。

■ 解像度
表示するコンテンツのクオリティに影響するのが解像度です。
デジタルサイネージには大型ディスプレイが使われる場合が多い為、
4K(3840×2160)の製品が多いです。
フルHD(1920×1080)でも十分に綺麗な映像が表示できますので、
コンテンツ内容を考慮して選ぶ必要があります。

■ 視野角
視野角は、画面を斜めから見た際の視認性を示します。

液晶ディスプレイにはIPSやVA、TNなどのパネル方式があり、

IPSパネルは上下左右どこからでも綺麗に見える広い視野角を持つます。
TNパネルは4方のうち1方向のみ視野角が悪い方式です。
VAパネルは上記の間の見え方です。
視野角が広いほどパネル価格が高額になる為、使用環境に合わせて
パネル方式を選びましょう。

■ 使用温度/保管温度
液晶ディスプレイは環境温度に影響を受けやすいため、使用温度と保管温度の範囲を確認することが重要です。

一般的なディスプレイの使用温度範囲は0℃~40℃程度です。

屋外や特殊環境向けには、-20℃~50℃まで耐えられるモデルもあります。
また、温度管理機能が搭載されたディスプレイは、熱による故障リスクを軽減します。

液晶ディスプレイの液晶は、-40℃で凍るため極寒の場所ではヒーターを内蔵する必要があります。
北海道のような寒い地域では、-30℃まで耐えられる液晶ディスプレイを要望されるお客様が多いです。
日本国内でも飛行機が飛ぶような高さの上空では-40℃が考えられます。

■ タッチパネルの種類
液晶ディスプレイに取り付けるタッチパネルの方式は主に以下のようなものです。

静電容量方式:スマートフォンにも採用されている方式で、軽いタッチでも反応します。操作性が高く、視認性も良好です。
スワイプやピンチなどの使い方をする場合にはこの方式が良いでしょう。ただし、軍手などをしたままでは反応しません。

赤外線方式:画面に指や物が触れることで赤外線を遮断し、位置を検出します。大型ディスプレイに適しています。

抵抗膜方式:圧力によってタッチを検出するため、手袋をしたままでも操作が可能です。
銀行のATMなどに採用されている方式で、ボタンをタッチするようなソフトウェアであれば
この方式で対応可能です。

液晶ディスプレイに静電容量方式や抵抗膜方式のタッチパネルを貼り付けることで、輝度が低下することに注意しましょう。

■ 防塵防水
屋外や湿度の高い場所に設置する場合、防塵・防水性能は重要なポイントです。

IP規格(Ingress Protection)で防塵・防水性能が評価されており、

IP65は粉塵の侵入を防ぎ、あらゆる方向からの水の噴流にも耐えられます。

IP55は軽い雨や埃から保護します。
設置場所の環境に合わせて、適切な防塵防水性能を備えたディスプレイを選びましょう。
デジタルサイネージ用の液晶ディスプレイでは、IP56設計の製品が多く見受けられます。

■ まとめ
デジタルサイネージ用の液晶ディスプレイは、サイズ、輝度、解像度、視野角、使用温度、タッチパネルの有無、防塵防水性能など、多くの要素を考慮して選定します。使用環境や表示したいコンテンツに合わせた適切な製品を選ぶことで、効果的な情報発信を実現できます。

適切なディスプレイ選びで、より魅力的なデジタルサイネージを展開しましょう。

レベリック営業 K.H

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