業界にあふれる専門用語
いかなる業界にも、必ず存在する専門用語
入社して間もない私は、会話の半分以上がチンプンカンプンで、まるで別の言語を話している人たちの輪に放り込まれたような感覚でした。
「あの言葉、こういう意味だったんだ」
と、言葉が理解できれば、知識を増やせたことに喜びを感じます。
そこで今回は、私がこれまでの学びの中で「へぇ!」と感じた、業界の専門用語や知識などを皆さんとシェアしたいと思います。
映画・ドラマ業界のことば
今回は撮影を伴う業界などで使用されているモノを紹介します。
【カチンコ】
撮影の始まりと終わりを告げる、あの板のことです。

役者さんが演技に入る前に、カメラの前で「シーン3、カット2、テイク5」と読み上げられ、監督の合図で カチンッ!! と鳴らされます。
そうです、この音がカチンコの由来です。正式にはクラッパーボードといいます。
そして、そのままカチンコの音を皮切りにカットの撮影がスタートします。
このカチンコは、撮影された素材がどのシーンのどのカットなのかを記録して、編集時に分かりやすくするために使われています。
しかし、もうひとつ大切な目的がありまして、それは映像と音声の同期のためです。
映像と音声は別々の機材を使って撮影・録音して進めていくので、編集時にタイミングを同期させる必要があります。
そこでカチンコを鳴らして甲高い音を記録させることで、データに特徴的な波形が現れるんです。

この波形があれば視覚的にもタイミングを把握しやすいですね。
この映像と音声のタイミングを同期させる作業を「シンクロ」と言うのですが、カチンコの音が小さかったり、記録されていなかったりすると、実際に耳で聞いてタイミングを合わせる必要があります。
カチンコの音は大きければ大きいほど、編集者を助けるのです。
みなさんもカチンコを鳴らす際は思い切って大きい音を出してくださいね。
おわりに
今回はカチンコの紹介にとどまってしまいましたが、もちろんこれは氷山の一角
映画・ドラマの業界にはまだまだ面白い専門用語がたくさん眠っています。
知っているとさらに楽しめる、
「へぇ!」と思えるような知識を、これからもお届けできればと思っています。
R&D本部 HT