銀座駅の『光の結晶』

少し暖かく感じる日もありますが、まだまだ寒いですね!


先日、銀座駅で見かけた素敵なアート作品を紹介します。


吉岡徳仁さんの作品『光の結晶』

この作品は銀座の他に、京橋、虎ノ門、青山一丁目と合わせて4か所に展示されており、見たことがある方もいるかもしれません。


この作品の何がすごいかというと…


この作品の最大の魅力は、その美しい光の反射です。

クリスタルガラスを使用しており、LEDや画面みたいなデジタル要素は一切なし。それなのに、光と角度の組み合わせだけで多彩な表情を見せます。

この作品を見ていた私は一つ面白い特徴に気づきました。それは、、、


忙しい人ほどこの作品に気づきやすいということ。


どういうことか?を説明する前に、

現代のデジタルサイネージや広告が抱える大きな課題の一つは、「見てもらえない」ことです。

特に駅構内では、通行人が電車に乗り遅れないように急いでいることや、スマートフォンに視線を奪われていることが多く、サイネージの存在に気づかれないことがしばしばです。

これは、サイネージに限らずパブリックアートも似た課題を抱えているのではないでしょうか?


そんな中、『光の結晶』の場合、駅を通り過ぎる人々の速度に応じて反射のスピードが変わるため、特に早足で歩く人ほど光の反射が強くなり、スマートホンをいじっていても視界の端でちらつく光にいやでも気づくことでしょう。

忙しい日常の中で、無意識にでも作品に気づきふと足を止めて見入ってしまう――そんな不思議な魅力があると感じました。


最近では、タッチコンテンツなどで視認性の向上を試みているインタラクティブサイネージが増えています。
しかし、『光の結晶』みたいに「わざわざ触れに行かなくても、自然な行動の中で視線を引き寄せる」仕組みをサイネージにも応用することができれば、無理なく人々の注目を集めるデザインが可能になるのではないでしょうか。


視覚的な美しさだけじゃなくて、これからのサイネージや公共空間のデザインには、人々の行動や環境と調和する仕掛けが求められると感じます。ひとつ工夫が加わるだけで、さらに魅力的なサイネージが生まれるはずです。

こういったアート作品からヒントをもらいながら、自分も新しいサイネージの仕組み課題解決を考案していきたいと思います。

銀座駅に行くことがあれば、ぜひ『光の結晶』を探してみてください!


R&D 本部 TH

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